生活に根付いていた「十二支」を、改めて再認識
いまや年賀状の文化も徐々に廃れ、
「十二支」を意識することも少なくなってきました。
将来、年賀状の文化がなくなってしまったら、
「十二支」を知らない世代も出てくるかもしれません。
しかし、「十二支」は年賀状だけでなく、
僕たちの生活の端々に息づいています。
今回は、そんな不思議な存在の「十二支」について、
お話しをさせて頂きます。
十二支とは? 時間を数えるときの概念
十二支とは、
子-丑-寅-卯-辰-巳-午-未-申-酉-戌-亥
(ねずみ-うし-うさぎ-たつ-へび-うま-ひつじ-さる-とり-いぬ-いのしし)
12種類の動物を割り当てて、
時間を数えるときに使われていた概念です。
<年単位>
1年ごとに十二支が配当され、
2019年は亥年(いのししどし)、
2020年は子年(ねずみどし)のように、
毎年一つずつ十二支が変わり、12年で1周循環していきます。
<月単位>
1年は12ヶ月。
1ヶ月ごとに十二支が配当されます。
1月:丑 7月:未
2月:寅 8月:申
3月:卯 9月:酉
4月:辰 10月:戌
5月:巳 11月:亥
6月:午 12月:子
<日単位>
1日ごとに1つの十二支が配当されます。
例えば、「戌の日」は安産祈願にまつわる日だとされており、
戌の日は安産祈願の参拝客で神社が賑わいます。
<時間単位>
1日は24時間。24を12分割すると2。
つまり2時間ごとに、十二支が配当されます。
AM1時〜AM3時:丑 PM1時〜PM3時:未
AM3時〜AM5時:寅 PM3時〜PM5時:申
AM5時〜AM7時:卯 PM5時〜PM7時:酉
AM7時〜AM9時:辰 PM7時〜PM9時:戌
AM9時〜AM11時:巳 PM9時〜PM11時:亥
AM11時〜PM1時:午 PM11時〜AM1時:子
丑三つ時の豆知識
ちなみに「丑三つ時」って聞いたことがありますか?
「丑三つ時」は「深夜2時〜2時30分」の「夜が深くなり、現世とあの世が入り混じる不気味な時間帯」だと考えられていました。(ちなみに丑と寅の間は「鬼門」といい、鬼が出てくる場所でもあります。)
<丑の時間を4区分>
丑一つ時:1時~1時30分
丑二つ時:1時30分~2時
丑三つ時:2時~2時30分
丑四つ時:2時30分~3時
十二支の理論について
十二支、植物の成長過程のストーリー
子:生命が宿る状態、再び生命が活動し始める状態。北斗七星から生まれた字。「頭が大きくて、手足がなよなよした乳児」かたどった文字です。そこから転じて「子」の時が生まれたそうです。ネズミは子沢山な動物なので、子孫繁栄や子宝の象徴に例えられます。「子」は「孳」(し:「ふえる」の意味)で、新しい生命が種子の中に萌(きざ)し始める状態を表しているとされる。
丑:紐で縛る、繋ぐという意味があり、紐で繋ぎ止めている状態を表します。植物が芽吹き、必死で繋ぎ止めている様子を示しているそうです。
寅:「螾」(いん:「動く」の意味)からから転じて「引っ張る」「伸びる」「移す・引く」という意味となり、芽吹いた植物が一斉に伸びる様子をあらわしているそうです。
卯:「さかん」「覆い隠す」という意味があり、万物が茂って覆い隠すほど植物が成長する様子をあらわしているそうです。
辰:「振」「震」に通じ、万物が震えながら成長している状態を表します。ちなみに、「辰」は「蜃」を指し、蜃気楼を生む創造上の生き物だとされています。
巳:「已」(い:「止む」の意味)「とどまる」や「やむ」に通じ、植物の成長が止まり、ひと段落した状態を表します。次の成長に向けて、一休みしている状態だそうです。
午:「忤」(ご:「つきあたる」「さからう」の意味)「さからう」に通じ、次の成長へと進んでいく状態を表します。
未:「味」に通じ、万物が味わい深く成熟した状態を表します。
申:「伸」に通じ、成熟や完成に向けて進む状態を表します。
酉:酉は「酒を入れる容器」をかたどり、完成した状態を表します。収穫や豊穣のとき。
戌:「滅ぶ」に通じ、活動が止まる状態を表します。「斧」をかたどった文字で殺気や滅殺を意味します。
亥:「核」「とじる」に通じ、植物が根っこのみを残して、生命のチカラをその根っこに蓄えている状態を意味しています。
十二支と五行説の関係
十二支は五行説とも関係が深く、
五行(木・火・土・金・水)の5種類に大別することができます。
十二支 | 五行説 |
---|---|
寅 | 木 |
卯 | |
辰 | 木 / 土 |
巳 | 火 |
午 | |
未 | 火 / 土 |
申 | 金 |
酉 | |
戌 | 金 / 土 |
亥 | 水 |
子 | |
丑 | 水 / 土 |