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夕凪と死。

美術館は、

金持ちと一流の芸術家が作り上げる

完全に透徹された空間だ。

 

僕たちが美術館に訪れた時に心地好く感じるのは、

何者にも邪魔されない純粋で(ある意味恐ろしい)空間がそこにあるから。

 

夕凪と死。

 

初めてボルタンスキーの作品と出会ったのは、

2012年に瀬戸内国際芸術祭へ訪れ、

「心臓音のアーカイブ」を体験した時だった。

 

(波打ち際と表現したくなるほど)

海の近くに建設された施設の中に、

 

各国の人間から採取された心臓音が

暗闇の中でランプを点滅させながら鳴り響く様子は、

とにかく圧倒的で、怖かった。

 

 

施設から出て、

瀬戸内の凪いだ海を眺めたが、

心は落ち着くこともなく、

 

「人類の終末はきっと、このような景色なのだろう。」

と途方に暮れたことを覚えている。

 

文明が死滅しても、

僕らの鼓動が確か存在していたことを

心臓音のアーカイブが記録し、

ひっそりと瀬戸内海のほとりで鳴らし続けるのだろう。

 

きっとこの星に残るのは、

生物よりも夕凪だ。

 

瀬戸内の夕凪のチカラ強さと優しさに、

立ち尽くした。

 

夕凪と死。

 

ボルタンスキーの作品はとにかく、

死の匂いが強い。

 

今回の展示もやはり、

「死」という概念の結晶だった。

 

祭壇に飾られた遺影。 

彼岸の世界へ誘う、幽霊や骸骨の劇場。

死とは何かを問い続ける、人型のスピーカー。

日毎に少しずつ消えていく、電球。

黒いスーツの山、(夥しい骸)。

 

夕凪と死。

 

様々な角度から「死」を見詰める。

意外なことに気分は暗くならず、むしろカタルシスを感じる。

 

2012年から7年越しに大掛かりな展示を体験出来て、

とても良かった。

 

あの頃とは違って、

幾ばくか僕も感覚を言語化出来るようになってきた。

 

しかし、作品を通じて受け取った感覚が、

あの頃も今も全然変わってはいないことも嬉しかった。

 

最後に、

死生観を今までの宗教観から引き剥がすような、

ネオンライトが現実世界へ橋渡しをしてくれる。

 

概念の中で生き死にを感じることができる、

人間にしか無い感覚を引き伸ばされたのだ。

 

夕凪と死。

 

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