コーヒーの雑味が教えてくれること
バリのコーヒーは美味しいことで有名で、
同じインドネシア諸国からわざわざ海を越えて、
バリコーヒーを買いに来る人たちがたくさんいるそうです。
「コピルアック」という
ジャコウネコの糞から採取して焙煎する
高級コーヒーが気になっていて、
今回、念願叶って飲むことが出来ました。
とても美味しかったです。
コピルアックを頂いたコーヒー農園では、
コーヒーの木やその他栽培物の見学、
豆の乾燥方法と煎り方、
そして伝統的な挽き方を体験することが出来たのです。
普段、自宅ではコーヒーミルを使って豆を挽くのですが、
伝統的な挽き方は、大きなすり鉢のようなもので豆を挽くのです。
そのとてもシンプルな手法に、いたく感動してしまいました。
バリのコーヒーの淹れ方もシンプルで、
とても細かく挽いたコーヒー豆をカップの底に入れて、
お湯を入れるだけ。
お湯を入れたら数分、
コーヒーの粉が沈むのを待って飲む。
粉っぽさが口を襲う時もありますが、
とても美味しいのです。
実は、僕がコーヒーを飲み始めたのは
割と近年のことなのですが、
豆の種類、挽き方、淹れ方など、
コーヒーの色々な道具や、ルールを愉しむようになって感じることは、
「コーヒーの淹れ方は、シンプルな方法が好き。」ということ。
シンプルな手法が好き。
というのは僕の場合、
どのようなジャンルにおいても言えることで、
自動車より、電車より、自転車移動が好き。
ガスコンロより、七輪が好き。
エアコンより、扇風機が好き。
いつも根底には、
電気やガソリン、便利なエネルギー資源が使えなくなったら、
自分でも手直し出来ない複雑な器具が壊れてしまったら、
という恐怖感があって、
文明の利器から少し距離を置いておきたいのだと思います。
(自転車も扇風機も、電気が使えないと作れないけどね。)
そして更に、
利便性によって失われてしまう雑味やえぐみの部分、
「古来からの作り方が表現する”味”」に興味を持っているのだと思います。
まあ、でも、
資源や文明の利器が使えなくなったら、
コーヒー豆は輸入出来なくなる。
遠く、海を越えてくる贅沢に感謝しながら、
文明の利いた部屋でコーヒーを飲むのです。